カレーのおかずに天丼(仮)

寝るか食べるか書いてるか

まだまだ終わらないから

7人最後のパフォーマンスが終わった。

怒涛の1週間だった。                                                     これからも、きっと忘れることのない1週間。

 

7月8日   関ジャム生放送   7人最後のテレビ出演

番組前半は、7人がそれぞれ印象に残っているセッションがコメント付きで紹介された。6人が選んだセッションは「俺の好きな渋谷すばる観て!」と言わんばかりの特集で、すばるくんの照れ笑いも観れて微笑ましかった。みんなすばるくん大好きやね。(知ってた)           スムーズな進行、的確なコメント、騒がしいワイプ、収録の時と変わらない見慣れた彼らの姿に、本当に生放送なのかと思ってしまうくらいだった。自然体で生放送を成立させてしまう関ジャニ∞さんのプロとしてのお仕事ぶりが、ファンのひとりとして誇らしい。

それぞれが「らしいな」というセッションを選ぶなか、亮ちゃんはThe Beatlesメドレーを選んでいた。その理由を「すばるくんとはずっと2人で歌ってきたので、ジョンとポールとまではいかなくても楽しかった」と言っていて、それを訊いて頷くすばるくんを観て、たまらない気持ちになった。何度も繰り返し録画で観たあのセッションで、亮ちゃんが「2人で並んで歌うこと」を強く意識して「ジョンとポール」に自分たちを重ねていたなんて、この時まで知らなかった。「ジョンとポールとまではいかなくても」というところに亮ちゃんの謙遜が見えるけれど、これからも2人で並んで歌い続けていくことに何の疑いも持っていなかったんだろうな。そして、2人でなら「ジョンとポール」になれるのではないかと思っていたんじゃないかな。最後に亮ちゃんのこんなに正直な気持ちを知ることになるとは思わなかった。

それから、大倉くんはback numberとの『ヒロイン』を選んでいた。ドラマーの彼が初めてボーカルとして参加したセッション(だったと思う)わたしは個人的に大倉くんの歌声が好きなのだけれど、それでもこのセッションを選んだ理由は想像がつかなかった。その理由は「すばるくんと2人で横に並んで歌うのは2006年以来*1だったので、その時ぶりに一緒に歌ったので忘れられない」というものだった。亮ちゃん同様、あのセッションの時にそんな想いを持っていたなんて、思ってもみなかった。この日までその想いを大切に持ち続けて、最高のタイミングで打ち明けてくれたなと思う。

すばるくんと大倉くんは、2人だけのユニットを組んでいない。ここ最近はクロニクルやジャニ勉での悪ふざけコンビの印象が強いけれど(いや、前からだな)まだ関ジャニ∞に加入する前、安田くんの一言がきっかけとなりドラム練習をはじめた大倉くんに「このチャンスをつかむかつかまへんかで、人生変わるぞ」と言ったすばるくん。この言葉が本当に人生を変えたと大倉くんは後に話してくれている。この言葉に対するものだったのかどうかはご本人にしかわからないけれど、すばるくんがグループを離れる決断をした時に「僕たちの人生はそのまま続くわけではなくて、変わるわけで」「その上での決断なのかと質問した」大倉くん。彼の人生のターニングポイントにはいつもすばるくんがいた。そして、彼のこの言葉によって関ジャニ∞は人生そのものなんだと、グループのことをいの一番に考えている彼らしい自己表現だなと思った。

その後も、すばるくんはドラム練習に付き合ってくれて、バンドで演奏する時には自然と目が向いて、大倉のドラムで歌うのが一番気持ちいい、大倉のドラムほど心を打つものはないと言ってくれていた。ドラム練習以外でも、悩んでいる時に本気で相談に乗ってくれたのもすばるくんだった。大倉くんは、すばるくんの独特な笑いのセンスがすきで、後ろでドラムをたたくのがすきだった。ドラマーにしか見えない景色の中心にはいつも小さな身体が大きく見えるくらいに全身全霊で歌いギターをかき鳴らして音楽を愛する渋谷すばる、その人がいた。

バラエティ番組でおとなしい印象だった大倉くんのおもしろさを引き出したのも彼の元来のセンスはもちろん、すばるくんがきっかけだったと思う。その場の空気を変えてしまう一言を、感覚的かつ的確にその時々の事象を捉えて放つすばるくんと、誰かが思っていても言いあぐねてしまうような真理をついた言葉をぼやきのように放つ大倉くんは、狙っていないようでいて一撃必殺なところがどこか似ているように映る。多くは語らず、シンプルなのに印象に残る言葉を瞬時に選んで抜群の間で放っている。お互いの似ているところを知っているからこそ、違うところを心からおもしろがっていて、それぞれのキャラクターに結びつけていく、とても器用な2人だと思う。(たまにアドリブに弱いこともあるけど、最後にはおもしろく着地するのはさすがだと思う)また、そばにいる大倉くんのおおらかな笑いによって、すばるくんの笑いのセンスはより伸び伸びと生きていたのではないかとも思う。大倉くんのエピソードを話す時のすばるくんのわくわくしたうれしそうな声、思い出し笑いしちゃってちゃんと話せなくなるところ、大好き。関ジャニ∞さんの笑いは、矢継ぎ早にボケとツッコミが入れ替わり、誰かをけなしたり、悪口を言ったりしないので観ていても聴いていてもとても気持ちがいい。

大倉くん以外の5人が、すばるくんをお姫様のようにとても大切に想っているのとは少し違う感情でもって「あの人は」「彼が」「この子」と客観的な人称を使って一歩引いて話す機会が多いところが、おもしろい関係だなと思っている。すばるくんを大好きなことに変わりはないけれど、一番最後にメンバーに加わったことが2人の距離感に影響しているのかもしれない。(と、いまだに考えるけれど、あくまで予想)

いつか叶うと思っていたユニットは叶わなかったけれど、これからも丁度いい距離感で「大久保!」「大倉だよ!」というやりとりは続けてほしいし、一緒にモンハンをやる時にはワインと6Pチーズを欠かさないでほしい。すばるくんの笑いのセンスが独特だと言うけれど、あなたのセンスもかなり独特だよ大倉くん。

番組後半は、スカパラ兄さんとの対バンセッションからはじまった。7人とも、トークの時とは明らかに違う、緊張とどんなセッションになるんだろうという期待が入り混じった表情だった。リリース当初からお祭りソングとして、これまで幾度となく盛り上がる楽曲として音楽番組で披露されてきた『無責任ヒーロー』が、10年の時を経て、息をのむほどかっこよく、バンドに映える楽曲に昇華され披露される日がくるとは思わなかった。

2曲目は『大阪ロマネスク』だった。事前の番組告知で、メンバーが選んだ2曲が披露されるとアナウンスがあり、この楽曲は間違いなく選ばれるだろうと思っていた。前の記事にも書いたように、4月のあの日以来、能動的に聴けておらず、ラジオでかかってもミュートにして避けていたけれど、この日、やっと聴けた。Bメロを歌い出す前のまるちゃんの困ったような笑顔を観て、涙が出た。それまではいつもと変わらず番組を楽しんでいたけれど、まるちゃんの表情を観ていたら「最後」を急激に意識した。

7人の関ジャニ∞として最後に演奏された曲は『LIFE〜目の前の向こうへ〜』だった。バンドでシングルを出したいと言い続け、やっと叶ったのがこの楽曲だった。タイトルはメンバー全員で話し合って決め、すばるくんが「〜目の前の向こうへ〜」を考えた。Mステで初披露された生バンド演奏と生歌を固唾を飲んで見守ったことをよく覚えている。リリース以降、要所要所で必ず演奏されてきたが、8年後の彼らの心境にここまで寄り添ってくれることになるなんて想像もしていなかった。

すばるくんは、歌いながら仲間の顔を見ようとしなかった。まっすぐ、前だけを見据えていた。涙は浮かべていたけれど、一度も泣くことはなかった。ヨコちゃんと安田くんは演奏に集中して確実にリズムとメロディーを刻みながらも、時折複雑な表情を目元に浮かべているように映った。亮ちゃんの声が途中で聴こえなくなったと思ったら、まるちゃんとヒナちゃんが力強い声と笑顔でフォローしていた。この日までずっと前だけを見てピンと気持ちを張っていた亮ちゃんが、俯いて涙を流していた。そのピンと張った糸がこの日に一度切れて、泣くことができてよかった。「最後はやっぱりさみしいね」とメンバーの前で言える場所があってよかった。きっとその糸はもう切れることはないと思う。

大倉くんはCメロ<あの日交わした約束をずっと覚えているから>と歌いながら、これ以上ないくらいの満面の笑みで、真ん中に立っているすばるくんの方へ手をかざしていた。その笑顔につられたのか、まるちゃんも笑顔になり、リズム隊がまた一段と頼もしく気高く映った。どちらかが泣いていたらどちらかが笑っている。亮ちゃんと大倉くん、ヨコヒナみたいになってきたね。tornちゃんお誕生日ごはん行ったかな?

演奏がアウトロに差しかかりいよいよ最後という時に、すばるくんは華奢な身体を振りしぼるようにして「エイター!」と叫んだ。言葉にならない昂ぶる感情を、自分が名付けたその名前に全て託したようだった。一般視聴者の方は知らないであろう「エイター」という名前、すばるくんと6人とファンとの秘密のやりとりみたいで、なんだかうれしくてくすぐったかった。秘密のやりとりのように思えたのも、関ジャムはもう関ジャニ∞のファンだけが楽しむものではなくなったのだということをどこかで感じていたからこそで、そのことが誇らしくもあり手を離れてしまったように感じて寂しくもあった。こういう時でもワガママなファンが顔を出してしまう。

彼はグループを離れる決断をしてから「自分が泣くべきではない」「自分が言うべきことではない」と様々な場面で線引きをしていたように思う。自分のことはほとんど話さず「6人の関ジャニ∞をよろしくお願いします」と何度も繰り返していて、その言葉は彼がメディアを通して言える最大限の気持ちだったのだと思う。木曜日のレンジャーでほんの少しでもすばるくんの今の気持ちが知れたらいいな。

 

長かったわたしの青春が終わっていく。けれど、彼らのことが大好きだという気持ちは変わらない。

 

彼らは<まだまだ終わらないから>

*1:2006.9.29-9.30 渋谷すばるwith大倉BANDコンサート